2011-01-01から1年間の記事一覧

第37回 これからの日本からみた柔道(2)

国の繁栄には、軍事力、経済力も重要であるが、「本当のカギはどれだけ味方を増やせたか」(ソフトパワー)にある。今回は、嘉納以後、柔道こそが世界に貢献できる日本の文化であり、だからこそ日本のソフトパワーであるという認識をもって活動した代表的な…

第36回 これからの日本からみた柔道(1)

これまで新しい仕組みの必要性について、「柔道」「教育」という観点からみてきたが、今回は「日本」という観点から、すなわち、わたしたちの国、日本が末永く繁栄するためにはどうしたらいいだろうか、という点からみていきたい。嘉納は名実ともに当時の日…

第35回 これからの教育からみた柔道(7)

前回まで、DeSeCoが示したこれからの教育の目標であるキーコンピテンシーをみてきた。いわば、教育はこれから何処に行けばいいのか(where)という点をふれたが、今回は、行き先が見えてきたならば、そこにどうやって行けばいいのか(how)という点をみていき…

第34回 これからの教育からみた柔道(6)

※作成中 今回は最後のキーコンピテンシー「自律的に活動する(acting autonomously)」についてみていきたい。 内容 DeSeCoによると、「自律的に活動する」とは、次の三つの力を意味する。 大きな展望の中で活動する 「think globally act locally(グローバル…

第33回 これからの教育からみた柔道(5)

今回は「異質な集団の中で交流すること(interact in heterogeneous groups)」をみていきたい。 内容 内容は次のとおりである。 他人といい関係を築く 共感:相手の立場にたって、その視点から状況を想像すること。これは内省を促すものであり、このとき、個…

第32回 これからの教育からみた柔道(4)

これから三つのキーコンピテンシーについて概観するが、今回は「道具を相互作用的に用いる」についてみていきたい。「道具を相互作用的に用いること」の具体的な内容は次のとおりである。 言葉、シンボル、テクストを相互作用的に用いる 知識や情報を相互作…

第31回 これからの教育からみた柔道(3)

前回みたように、DeSeCoは次のように考えた。 「人生の成功」と「正常に機能する社会」のためには「認知的要素」(知識、情報処理能力等)とともに「非認知的要素」(態度、価値観、モチベーション等)の開発が必要である。 特に、「道具を相互作用的に用い…

第30回 これからの教育からみた柔道(2)

今回は、主にキー・コンピテンシーの中心にあるreflectivenessについてふれ、DeSeCoの基底にある大きな特長をみていきたい。まず、キーコンピテンシーは次のようなものである。 「知育」から「徳育」へ 結論から先にいうと(かつ単純に表現すると)、DeSeCo…

第29回 これからの教育からみた柔道(1)

本稿が検討している仕組みは、次のような経験を多くの人々に、特に青少年に提供することである。 異なる地にある道場(国外・国内問わず)にいって、その地の先生の指導を受け、その地の仲間たちとともに稽古をすること、 そして、可能であれば関係者宅にホ…

第28回 柔道の理想と新しい仕組みの必要性

青少年が異なる地にいって稽古し、ホームステイをする機会が有益な機会であるとしても、わざわざ柔道でやらなくてもいいのではないか。サッカーでも野球などの他のスポーツ、また、学問や音楽や芸術などスポーツ以外の様々なものがある。何故柔道でなのか。…

第27回 新しい仕組み内容と可能性

今回は、本稿が提案する仕組みの内容についてみていく。本稿が検討する仕組みは、 異なる地にある道場(国外・国内問わず)にいって、その地の先生の指導を受け、その地の仲間たちとともに稽古をすること、 そして、可能であれば道場の関係者宅にホームステ…